2008年12月12日

ある朝、あなたは突然に・・・・・

今日は朝焼けとともに車に乗り込み海へ向かった。

海へと近づく高速から辺りを見下ろすと田畑や小川に靄がかかり古い映画のワンシーンのようだ。

おだやかにオフショアが吹く浜辺のパーキングに車を止めると海面に冬の太陽が反射してキラキラと目を射す。

「サイズは落ちたけど遊べそうだな」

「今日は何を練習しようかな」

「そうだ、ワックス剥がしたままだっけ」

次第に高まるテンションでワックスを塗る手の動きも速くなっていく。

力を入れ過ぎたのか、ほのかに催す気配がする。

「海入る前にすっきりしとくか」

「こんな爽やかな日に海の中でしたくなったら台無しだもんな」

「いやー、それにしてもいい天気だな」

口笛を吹きつつトイレに向かい
「そうだペーパーあるよな?」
一抹の不安を抱きつつドアを開けた。

そこには予想だにしない光景があった。


眉間にシワをよせふんばるジジイ。

ドアノブに手を掛け固まる私。

見つめ合う二人。

「あんれぇ~」
とジジイ。

「うわぁ~」
と私。

何も言えずドアを閉め
「ジジイ鍵しとけよ」
「なんでノックしなかったんだよ俺」
「洋式でよかったよ、和式でディープインパクト見せられたらとても生きては帰れなかったよ」
「そうだ、あやまんなくちゃ」
などと混乱した頭で考えていると

「どうも、すんませんでした」
中からジジイがあやまっている

「いやー、こちらの方こそノックもしないですいません」と普通なら答えるわけだが混乱した頭は
「いえいえ」と答えるのが精一杯なのであった。


爺ちゃんノックしなくてごめんなさい。
100%このブログ見てないだろうけどあやまります。
私はあなたの苦悩に満ちた表情を忘れないでしょう。
あなたはまさにその最中だったことを眉間のシワが物語っていましたよ。
その後事なきを得れば何よりです。
くれぐれもお孫さんには内密にしておいた方がいいでしょうね。
「爺ちゃんいい年こいて何やってんだよ、みっともない」
と軽蔑され、散歩にも付き合って貰えなくなる可能性があります。
私は2度と同じ過ちはくり返さないと思います、できればあなたも鍵をかける習慣をつけてみればいかがでしょうか?
これは若輩者が生意気を言ってしまいました。
そろそろ時間のようです、私はしばらく旅に出ようと思います、訳は聞かないでください、あなたが悪いのではないのですから。

それではまたどこかで。


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